渡辺みちたか(自民党・新宿区議会議員)official blog

新宿のミッチー。新宿区議会議員(自民党)。1985年12月生まれ。「渡辺ミッチー」こと渡辺美智雄・元副総理の孫。慶応義塾高等学校・慶応義塾大学・同大学院卒業。中小企業勤務、国会議員秘書を経て新宿区議会議員(2期)。会派は自民党区議団。

デジタル事業の難しさ(キャッシュレスポイント還元事業)

 文化観光産業特別委員会で9月1日から9月24日に行われたキャッシュレスポイント還元事業の報告が行われた。この事業は新宿区内の商店でQRコード決済をするとあとから支払いの25%分がポイントとなって戻ってくる事業だ。区民の生活支援と、区内商店の振興を兼ねた政策だ。当初9月末までを期限としていたが、予算上限に早めに達するだろうということで9月24日に前倒し終了をした。ところが、終了直前の三連休に台風がきて、結局予算が1億2000万円ほど余ってしまったという。それでこの余った予算を、10月から始まっているプレミアム付き商品券(1万円で買うと額面1万3000円で使える30%お得な商品券)の追加発行に振り替えるという報告だった。
 台風が直撃するかどうかはだれもわからないので、この予算の余り方はしょうがない。むしろこうして未執行があったので振替を行う、とそうそうに決めたのは素晴らしいフォローだ。
 さて、報告を聞くと、キャッシュレス事業の運用はなかなか難しいなと感じた。この事業の紙版であるプレミアム付き商品券は予算分だけ商品券を発行すれば、あとは使ってもらうのを待つだけだ。だけどキャッシュレスポイントの場合は利用状況を日々みつつ、予算に達するタイミングを見計らって打ち止めを告知しなければならない。ところが、委託している事業者との契約では終了日の変更は2週間前に伝えなければならないとのことだ。つまり、今回の事業の場合9月1日にスタートして、出だしの実績をみつつ9月7日に早期終了(9月24日)の判断しなければならなかったという。開始してわずか1週間で、2週間後の終了の判断をするというのは想像しただけで難しい。この点、次回以降この事業をやることがあれば委託先と交渉してほしい。

 菅義偉前総理が行政のDX化をブチ上げて、区でも昨年度からDX化の予算がついている。今年度は5千万円超。私は行政のデジタル化によって、単に申請が楽になりますという効率化だけでなく、区民ひとりひとりにあったきめ細やかな行政サービスの提供が実現できると考えている(過去にブログに書いた)。そのためには区民には多くスマホタブレットを持ってほしいし、区もなるべくスマホタブレットを使ったサービスに挑戦し、スマホタブレットの普及を後押ししていくべきだ。とはいえ、高齢の方にこれからスマホを使ってくださいね、というのはなかなか難しい話なので、長期を見据えてやってほしい。いまの60代は大体スマホもっているから、10年後、20年後にはデジタルをつかったサービスの割合が増やせると思う。
 今回のキャッシュレスポイント事業は思わぬイレギュラーがあった。だけど、これを面倒だと思わずに、区はデジタルを利用したサービスに引き続き挑戦してほしい。