祖父が開設していた国会裏のパレ*1の事務所に江沢民さんが揮毫した書(早に白帝城を発す)があった。縦1,5メートルくらいあるデカい書で、玄関から入ってすぐの目立つところに飾ってあったのでよく覚えている。
残念ながら私には書を評価する能力はないが、最後まで勢いがありつつも、丁寧に書かれた深みのある字だ(と思う)。日付は1992年10月で、その時期、外相として天皇陛下と訪中したので、党総書記であった江氏からもらったのだろう。日本語と同じ繁体字で書かれているので違和感なく読める。
内容に、「早に白帝城を発す」を選んだのは推理の余地があって楽しい。遠くからサッと来たというのは何となくわかる。そして、「両岸の猿声 啼いて(ないて)住まざる(やまざる)に」は、当日天皇陛下訪中に反対する世論も根深かったから、それを揶揄しているのだろうか……? こうして貰った方は深読みするが、案外、日本人ならみんな知ってるだろうと気軽に書いたとか、単に江氏が得意だっただけかもしれない。
さて、かつてミッチーは青嵐会(せいらんかい)の世話人の一人だった。青嵐会は反田中角栄、親台湾で集まった会で、田中総理が進めていた(人民共和国との)日中国交正常化による中華民国との断交に強烈に反対していた。それが20年後には外相として、天皇陛下を中国にお連れすることを悲願として、保守派の反対のある中でおこなったのだから、政治家の考えは進化しても良いんだなと感じさせる。
故江沢民さんのご冥福をお祈りいたします。
朝から色々考えてしまった。今日も一日頑張ろう。
*1:パレロワイワル永田町