渡辺みちたか(自民党・新宿区議会議員)official blog

新宿のミッチー。新宿区議会議員(自民党)。1985年12月生まれ。「渡辺ミッチー」こと渡辺美智雄・元副総理の孫。慶応義塾高等学校・慶応義塾大学・同大学院卒業。中小企業勤務、国会議員秘書を経て新宿区議会議員(2期)。会派は自民党区議団。

満票での正副議長選出と、新宿区議会の全会一致の伝統

 新宿区議会20期が本格スタートした。23日の臨時会では議長らの選出がおこなわれ、議長に自民党の樋山真一議員が、副議長には公明党の野元あきとし議員が38人全員の満票で選ばれた。他の自治体や国会では正副議長をガチンコ投票により選ぶところもあるが、新宿議会では「なるべく」全会一致で正副議長を選出できるよう事前に話し合う。

 今回の選挙後も臨時会の間に2週間かけて会派代表者会、幹事長会を行い、朝から夕方まで役所に詰めて駆け引きと喧々諤々の議論を行い、議会ポストや今任期の大枠のルールを決定した。民主主義は「多数の支配」と定義づけられ、多数決が基本だが、新宿区議会は昔から自民党のほか、公明党共産党の勢力も強く、ハナから多数決で決めていくと深刻な分断を引き起こす可能性があり、根気よく話し合って妥協点を探っていくというのが、先人たちの知恵なのだろう。今期の議会構成も自民8議席、公明8議席、共産7議席三国志的なバランスになっている。もちろん、どうしても決めなければならないことがあり、話し合ってもダメなときは多数決で決するが、そうでない限り議会の決定は極力、全会一致となるよう話し合うのが伝統になっている。

 この全会一致の慣例は議会のポストだけではなく、陳情・請願、意見書、決議など議会として意見表明する場合にも及んでおり、3議席以上の交渉会派がすべて賛成しないとこれらを採択しない。今上天皇陛下即位の奉祝決議は全国の都道府県・市区町村議会で行われたが、新宿区議会では反対意見があり決議できなかった(23区の区議会では唯一か?)。また、東京オリンピックパラリンピック開催と成功にむけた意見書も、メインスタジアム・国立競技場の地元自治体にもかかわらず難産で、採択がずいぶん遅れたと聞いている。地域からでてきた請願・陳情は交渉会派が1つでも反対すると「審議未了」となって流れてしまう。だから意見の割れそうな請願や意見書は全会派が納得するような中身に修正がされ、タイトルはそれっぽいけど、本文をよくよくみると玉虫色の内容になっていたりもする。尖った意見や、先進的な意見はなかなか採択されないのだ。この辺りは多数党所属の議員としては「多数決できめろ!」と思うときもあり、ヤキモキする。

 また、全会一致の調整は非常に時間と労力がかかるので、議会主導で行政を引っ張るようなこともできず、例えば手話言語条例は議員提出で実現した自治体もあるが、新宿区では区長提出の条例として制定された。

 今期私は、自民党の副幹事長で党内の調整をし、党外にあっては議運の理事としての交渉に臨むことになる。様々な場面で全会一致の洗礼を受けることになるだろうが、根気強く議論をしていきたい。

↓区議会での正副議長選挙の様子
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