新宿通りは新宿区道路移動円滑化促進方針に基づきバリアフリー化を進めている。環境委員会で視察をしたので以下その模様を紹介したい。
◆段差を2センチから1センチへ
道路は車の乗り上げを防ぐため車道より歩道が高く作られている。歩道の間を車道が通るときは横断歩道が設定され、歩道に下り斜面をつけて車道の高さまでおろすよう作られている。
この下がった斜面の最後の部分、歩道と車道の境目の段差はこれまでは2センチだったが、この2センチの段差は車いすの移動がしんどいという。
一方で、まったく段差をなくすと視覚障害者が車道と歩道の境目の感覚がわからなくなってしまうとの指摘があり、調査・調整の結果、新宿通りでは段差を1センチとしてバリアフリー化した。
また鉄道事業者と交渉をして、駅の入り口と道路の段差も1センチまで下げている。なお区では2020年につくった新宿区のユニバーサルデザイン条例で、新築の建物にこうした配慮の条項を設けている。
◆歩道が長く、横断歩道が短く
新宿通りでは快適な歩行空間にするべく、歩道巻き込み部の改良の一環として歩道巻き込み部を大きく作り、横断歩道を短くしている。
感覚的にも、横断歩道がかなり短くなっていて渡りやすくなっている。
◆防護柵ベンチ
バス停や新宿御苑前駅の出入口の前に防護柵ベンチを設置している。
普通のベンチは「道路占用物」だが、防護柵ベンチは「道路付属物」であるという。この違いは結構大きい。
たまに「バス停にベンチを設置してほしい」という陳情をもらうことがあるが、ベンチは占用物のため、設置後の道幅などの要件があり、結構ハードルが高い。
しかし、防護柵ベンチが道路付属物ということであれば、もしかするとベンチは設置できないが、防護柵ベンチはOKという場所があるかもしれない。今後の陳情のために覚えておきたい。
しかし防護柵ベンチ、というのはなかなか面白い発想だ。本来防護柵とは車が歩道に突っ込んできたときに、歩行者の身を守るために設置するものだろう。そこに人を座らせる、というのは相反する行為のようにも思える。よく許可がでたなと思う。だから、もし大きな事故が起きたら防護柵ベンチはなくなるかもしれない。