渡辺みちたか(自民党・新宿区議会議員)official blog

新宿のミッチー。新宿区議会議員(自民党)。1985年12月生まれ。「渡辺ミッチー」こと渡辺美智雄・元副総理の孫。慶応義塾高等学校・慶応義塾大学・同大学院卒業。中小企業勤務、国会議員秘書を経て新宿区議会議員(2期)。会派は自民党区議団。

新宿のオーバーツーリズム(新大久保とハロウィン)

 新宿はいくらでも観光客を受け入れるキャパがありそうだが、現実はそうでもない。

 コロナ前は爆買いブームで、海外からの団体客のツアーバスが数多く路上駐車をして問題になった。区では年間数千万円かけて、歌舞伎町に観光バス用の駐車スペースを借り上げ誘導していた。コロナ後も観光客が戻ってきているが、団体ではなく個人旅行が多く、いまのところ再発していない。

若い女性で賑わう新大久保

 いまオーバーツーリズムが起こっているのは新大久保駅を中心とした大久保通りだ。かつて女性の多い街といえば表参道だったが*1、大久保も引けをとらないくらい若い女性でにぎわっている。平日の午後も人出がすごいが、週末は特に多く、歩道の歩行者が滞留して、車道にまではみ出ていることも見かける。

 これまでの韓国ブームは「冬ソナ」、「BTS」と韓国人気を象徴するものがあったが、最近はブームというよりすっかり人気が定着し、韓国コスメ、韓流アイドル、韓国料理、食べ歩きといろいろなことを目的に、「一度行ってみようよ」という街から、リピーターでにぎわう街になっている。

 新大久保の特徴は、一本路地に入ればアパートや一軒家の建ち並ぶ住宅街で、来街者による騒音や、食べ歩きの串やカップなどのごみのポイ捨て、それに伴いネズミが増殖するなど、近隣住民への迷惑が発生している。この街にくる観光客はマナーが悪いというわけではなく、いたって普通なのだが、それでも来街者が多すぎて街のキャパシティを超えている。

 街でもクリーン活動をし、JRも改札を設置して出入りを分散させ、区も交通指導員の配置、マナー啓発などを行っており、昨年からは「ごみは持ち帰りましょう」等の新大久保ルールをつくり啓発を始めた。街でも努力するが、観光客にも協力を依頼するのはいい方向だと思う。若い方はエコ意識があり、また案外(失礼!)素直なので、急には難しいだろうが徐々に浸透していくといい。来年度は約3000万円予算を増やし、合計7000万円で大久保のまちづくりを推進する。なお、新大久保駅大久保駅周辺のことは下村はるお議員、池田大介議員が尽力している。

ハロウィン期間のルール作り

 もう一つはハロウィンのことで、昨年渋谷区が「渋谷にこないで」とハロウィンをお手上げした。かつては「ハロウィンは渋谷で」と呼びかけていたので、なんなんだと思わなくもないが、こうしたイベントごとは来街者によるデメリットがメリットを超えることがある。

 街からすれば「思ったよりお金を落とさない」、「リピーターにならない」ということだ。ハロウィンを通じて渋谷が好きになり、地域にお金を落としてくれれば渋谷としてはありがたいが、ハロウィンは来街者がお店で飲食したり、物を買ったりという感じではない。ハロウィン目的の来街者は喫茶店や商店のトイレで着替えをし、街に繰り出す。それを見ようと(雰囲気を味わおうと)人がさらに集まりウェーイと騒ぐ。路上でお酒を飲み、ごみを捨てる。トラブルも起きる。仮装で顔が隠れているため、堂々と痴漢行為を働く者もいる。結果、受け入れ側の行政や街は、交通整理、トラブル対応、ごみの片付けばかりやっている。昨年、渋谷区では数日のために8000万円ほどの経費をかけたようで、「もうこないで」と言いたくもなる。

 さて、昨年は渋谷のお手上げの結果、推定3000人ほどが新宿に流れた。特段トラブルがあったとは聞いていないが、未然対応で今年のハロウィンに向けて条例案を作る。ハロウィンに間に合わせるためには6月議会で審議する必要があり、ハロウィンの期間も街の秩序を保てるような実効性を求めていきたい。

*1:表参道交差点のみずほ銀行のATMが日本で一番女性の利用率が高いと聞いたことがある