◆給付金 公平感か、効果か
昨年末に国の補正予算が成立し、区議会でも12月26日に臨時会を開いて新宿区での物価高対策について審議をした。全国的な報道ではお米券が話題となっていたが、新宿区では所得制限付きの給付金を行うこととし、区議会でも全会一致で予算案を可決した。
給付金は具体的には所得300万円以下(会社員で額面年収約420万円以下)世帯にひとり6000円、住民税非課税世帯にひとり1万2000円の給付を行う。
この政策は決定過程で区側も苦渋の決断があったと感じている。給付金政策は「貰った」、「貰えなかった」で不満感が強くでるが、一方で全員に配るとひとり3000円ほどになる。では、「物価高騰対策」でひとり3000円配ったとして、これはどれほどの政策的効果があるだろうかを考え、それならば、物価高騰の影響を受けやすい低所得世帯に厚く、という決断をしたと聞いている。
今回、新宿区は公平感よりも効果を取った。新宿区は地価が高く、それなりに所得の高い人が住んでいるイメージだが、実際は低所得者も多いのが特徴で、今回の年収420万円以下世帯&住民税非課税世帯の対象者は52%(世帯ベース)に上る。
あらためて、半数以上の住民が年収420万円以下で生活していることに驚く。これは年金暮らしの高齢者に加え、20代の学生、留学生、独身者が多くいるためで、今回の対象者の3割が高齢者、3割が20代という。
一方で、課題もある。ただ単に「低所得」でまとめてしまうと、資産や配当収入があり暮らしは豊かだが、年金生活の高齢者、潤沢な仕送りで働いていない留学生、稼ぎを申告していない水商売・風俗業従事者など、こうした本来は対象としなくてもいい人たちも低所得者に紛れてしまう。
給付金政策は必要な人に、必要なお金を届けることが重要で、今後、マイナンバーと資産や収入、健康情報を紐づけて、きめ細やかな制度設計が可能となることを期待したい。
今回、もらえなかった人は、所得上位50%ということで、どうかご理解をいただきたい。我々も今後公平感のある政策や制度設計を後押ししてきます。
なお、今回は子育て世帯も給付金が支払われ、こちらは所得制限なし、子どもひとり2万円が世帯主等に支払われる。
◆区長選挙と区役所本庁舎
2026年は区長選挙の年で、選挙は11月に行われる。争点はすでに決まっていて、築60年になる区役所本庁舎をどうするかだ。現在、候補地が2か所(旧四谷第五小学校跡と旧淀橋第三小学校跡)が挙がっているが、移転の概算経費として500億円以上かかる試算がなされている。今後上振れすることはあっても、下にぶれることはないだろう。来年度から年間20億円規模の積み立てを行って原資を作っていく。
また、現在の本庁舎の跡地の利用で「稼ぎ」、新本庁舎建設費を捻出することが本命路線なので、新本庁舎の建設とともに、現庁舎の跡地活用もワンセットのビジョンが必要になる。
反対派は「500億円の豪華庁舎反対!」、「500億円を区民に還元」とレッテルを貼ってくるだろうから、こうしたキャンペーンに対しての効果的な反論も想定する必要がある。
また、もう一つの懸念は「外国人」で、民泊や外国人観光客、外国籍住民に対するマナーの問題を地域の人に多くご指摘をいただく。自称保守派を名乗る政党や一派が、「新宿から外国人対策強化を!」を訴える区長候補を擁立する可能性もある。
いち早く、民泊のルール順守を徹底させ、守らない事業者にはペナルティを、そして外国籍住民の健康保険料前納制の早期実施をするべきだろう。
私は外国人の労働力なくして新宿の社会・経済はなりたたないと考えているので融和路線だが、外国人を労働力とだけみるのではなく、生活者としての制度や細かな配慮を、引き続き推進していくべきだ。
区長選の半年後には私たち区議選も控えているので、今年はさまざま発信をしていきたい。