渡辺みちたか(自民党・新宿区議会議員)official blog

新宿のミッチー。新宿区議会議員(自民党)。1985年12月生まれ。「渡辺ミッチー」こと渡辺美智雄・元副総理の孫。慶応義塾高等学校・慶応義塾大学・同大学院卒業。中小企業勤務、国会議員秘書を経て新宿区議会議員(2期)。会派は自民党区議団。

老木化する桜、未来にどう残す

神田川沿いの桜並木


 桜は日本人が愛する花の一つで、古くから人々に愛でられてきた。百人一首にも桜の歌が6首ある。桜は一年のうちたった十日ほどしか咲かないが、満開時の美しさと散り際のはかなさが日本人の美意識にかない、心に染みるのだと思う。

全国で倒れる樹木

 この桜の老木化が全国各地で問題になっている。首都圏の桜はソメイヨシノが大多数だが、そもそも強い木ではなく、樹齢30年を超えると状態によっては空洞ができ、倒木の恐れがでてくる。神奈川県小田原市では、昨年2月に桜の老木が倒れたのをきっかけに樹木診断を行ったところ、街路樹の桜の約二割が倒木の恐れがあると発覚し、特に危険性の高い約一割の38本を一斉に伐採した。都内でも国立市や目黒区でも桜並木を次世代につなげるべく、計画を立てて伐採・植栽を実行している。新宿区が管理する桜も樹齢三十年を超すものが1190本ある。

 木ははたから見ただけでは中の状態はわからない。元気なように見えても実はウロがあり、強い風でバッタリ倒れることがある。昨年4月に相模原市のキャンプ場で起こった倒木による死亡事故は、まさにこうした木だった。

 新宿区では来年度の新規事業として樹木診断の費用が計上された。すべての街路樹と公園の木を樹木医が診断し、その結果を踏まえ、桜並木の次世代に向けたアクションプランを策定する。念頭にあるのは生育環境の似ている目黒川の桜並木の実行計画だろう。

政局化しないような管理を

 近年、木を切ることがいさかいとなるケースがある。神田警察通りのイチョウ並木や、神宮外苑の再開発は象徴的な出来事で、木に対して世間の同情感が高まっている。老木化した危険な木は事故が起こる前に切るべきだが、行政による伐採が目立つやり方だと反対の声や、それを政局にしようと住民を煽り立てる勢力がでてくる。人々に愛されている桜並木は、特に政争の具にされやすく、そうならぬよう樹木診断を行って危険性を判断し、住民を交え計画を立てて管理していくことが大切だ。新宿区内の桜並木は見るものを癒すだけでなく、会社やサークル、地域の行事のお花見で親交を深めたり、ライトアップをして観光資源として活用したりと様々役割を担っている。次世代でもこの資産を残せるよう今後も提案をしていく。