渡辺みちたか(自民党・新宿区議会議員)official blog

新宿のミッチー。新宿区議会議員(自民党)。1985年12月生まれ。「渡辺ミッチー」こと渡辺美智雄・元副総理の孫。慶応義塾高等学校・慶応義塾大学・同大学院卒業。中小企業勤務、国会議員秘書を経て新宿区議会議員(2期)。会派は自民党区議団。

ブラックホール型筆頭の新宿区(自治体持続可能性レポート)


f:id:watanabemichitaka01:20240426105816j:image

都市部は持続可能か?

 ずいぶん前の話だが、栃木県の那須塩原市の市長をしている兄が「新宿はいいよな、ほっといても人が集まってくるから。俺たちはこのままじゃ30年後に消滅しているかもしれない。だからなんとかしなきゃいけない。新宿? 新宿が消滅する時には先に日本が消滅しているよ(笑)」なんて冗談を言っていた(プライベートな発言を公開してすまんな兄貴)。この話を聞いた時、地方の行政に携わる人は危機感をもって、真剣に仕事しているんだなと思った。たしかに新宿にいるとこの手の危機感はない。

 ところが先日発表された人口戦略会議の地方自治体「持続可能性」分析レポートをみて、考えを改めた。この分析は移動人口と、自治体内の出生数の二軸を使って、全国の自治体の持続可能度合いを分類している。

 その結果、新宿区は2050年時点で若い女性の人口は6.6%減でさほど減らないが、他自治体からの流入を考えない想定だと、若い女性は68%減るという驚くべきもので、他自治体から若い女性をひっぱってくることで地域が維持される「ブラックホール自治体」に分類された。

 新宿区は他自治体の女性が移住してくることで自治体が持続する、言い方を変えれば、他の自治体の持続可能性を奪って新宿区の持続がなされる。ブラックホール型とはよく言ったものだ。まずこの認識をしなければならない。

新宿は魅力を失った瞬間に持続可能性を失う

 さて、このレポートから新宿の持続について気づくことを2つ書く。一つは新宿区内での出生数を上げる必要があることだ。分析レポートでは、新宿区内の出生のみの2050年の女性人口の減少率は68%で全国ワースト3位、都内自治体ではトップだ。レポートでも「自然減対策が極めて重要」と指摘されている通り、この数字を直接上げていく必要がある。なお、出生数向上の話は今に始まったことではなく、行政は四苦八苦しながら取り組んでいる。

 もう一つは魅力向上だ。ブラックホール型で流入人口が多いということは、それだけ自治体に魅力があるということだ。新宿区はこの魅力を維持していく必要がある。というより、今回のレポートで分かったのは、新宿区は若い人を引き付ける魅力がなくなった時、自治体として持続できなくなることだ。

 冒頭紹介した兄の話は対岸の火事ではない。新宿区も出生数をあげつつ、都市としての魅力を保っていかねばあっという間に持続性が失われてしまう。他自治体では危機感や真剣に魅力向上に取り組んでおり、我々もそういう危機感をもって仕事をしなければならない。(自治体間で取り合っても日本全体で見ればしょうがないんだけどね。国も一層頑張って)

 

◆参考

【人口戦略会議・公表資料】『地方自治体「持続可能性」分析レポート』|お知らせ|一般社団法人 北海道総合研究調査会(略称:HIT)