渡辺みちたか(自民党・新宿区議会議員)official blog

新宿のミッチー。新宿区議会議員(自民党)。1985年12月生まれ。「渡辺ミッチー」こと渡辺美智雄・元副総理の孫。慶応義塾高等学校・慶応義塾大学・同大学院卒業。中小企業勤務、国会議員秘書を経て新宿区議会議員(2期)。会派は自民党区議団。

決算の話その2(タバコと競馬と住民税)

 新宿区2023年度決算についてタバコと競馬と住民税という3つの歳入を書く。
 2023年度の決算では区民税による歳入が前年比26億円増の478億円と凄い数字だった。ふるさと納税制度(による流出額34億円)がなければ、ここにさらに34億円が乗っかってくるので、大いに稼いで、大いに税金を払っている人が増えてきたといえる。大いに結構なことだ。
 たばこ税による歳入も2022年度は58億円となり、コロナ前の水準に戻った。58億円という数字はこれまたすごい数字だ。なお2018年度は59億円、2019年度50億円、2020年度43億円、2021年度51億円という推移をしている。
 競馬の収入も急上昇した。新宿区、というか23区は東京シティ競馬(地方競馬)に出資をしていて、1,2年前の儲けに応じて配分金を得ている。これが2022年度の歳入として5億円が計上された。2021年度は3億円、2020年度は2億円、少し前の2017年度は5千万円だったから、数年で10倍の歳入になった。コロナ禍で競馬のインターネット売上が伸びていると聞いていたが、まさかここまでとは。なお、2023年度の歳入予算では6億円が計上されている。
 その他、歳入の備忘録。西新宿のファーストウェストビル(旧淀二小)の信託では8億円の配当金があった。また昨年度補正ではじめた歌舞伎町の若年女性を支援するNPOへの助成事業(予算額150万円)は、区民以外へのサービス提供ということで財源として寄附を募ったが、結果として354万円の寄附があり予算額を2倍以上上回った。

ふるさと納税

 昨年度(2022年度)決算ではふるさと納税での流出額は34億円だった。2023年度は9月の時点ですでに37億円となっている。区民税収が478億円だから、その約7%が他の自治体に流出している。区がフリーで使える34億円の財源が、和牛やエビカニなど区民のグルメのために使われていると思うと非常に惜しい。
 ふるさと納税については、区は従来から「不条理な税制」として国に改善を求めている。その手前、これまで実施を控えていた返礼品も今年10月から開始し、ふるさと納税返礼品の自治体間競争に参入した。なお、今年度のふるさと納税の歳入予算額は1億4000万円。
 ふるさと納税については昨年、会派で平戸市に視察に伺い、取り組みをお聞きした。平戸市は過去にふるさと納税額NO.1となり、現在でも毎年十数億円を安定して獲得している成功自治体だ。返礼品スタート時には「私がやりたいです」と手を挙げる職員を抜擢し、権限を与え取り組んだとのことだ。視察時、この担当者さんが成功と実績のために、市長の大変信頼厚い職員になっていたのが印象深い。返礼品の開発という仕事は、これまでの行政の仕事、すなわち「ルールに従って行政を執行する」こととはまったく異なり、地域の目玉となる特産品を発見し、地域ともどもアピールして寄附をいただくという仕事で、発想力と情熱がないとできない仕事だろう。新宿は、和牛もカニも生産していないが、誰もが知っている街で、交通アクセスもよく、コト・消費系の返礼品のポテンシャルは高い。ぜひ新宿のストーリーと返礼品を全国の納税者にアピールして、1億4000万円の予算額を超えられるよう頑張ってほしい。