渡辺みちたか(自民党・新宿区議会議員)official blog

新宿のミッチー。新宿区議会議員(自民党)。1985年12月生まれ。「渡辺ミッチー」こと渡辺美智雄・元副総理の孫。慶応義塾高等学校・慶応義塾大学・同大学院卒業。ベンチャー企業勤務、国会議員秘書を経て新宿区議会議員(2期)。区議会会派は自民・参政クラブ。

石破茂総理所信表明演説(勇気とまごころをもって真実を語る)


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 今日の総理の所信表明演説で、祖父の渡辺美智雄(渡辺ミッチー)の言葉「まごころと勇気をもって真実を語る」を引用するくだりがあった。石破総理はかねてよりこの言葉を政治信条として掲げ、場面場面で語っている。石破総理は、報道などで人間関係に冷たいといわれているが、祖父の渡辺美智雄の命日には毎年花が届き、死後30年経った今もこうした心配りを続ける義理人情に厚い人柄だと思っている。

渡辺ミッチーの「まごころの政治」

 祖父の渡辺美智雄は私が10歳の時、72歳で亡くなったので私は祖父の政治活動や政治思想を直接見聞きしていない。私にとっての渡辺美智雄はお菓子や果物をくれるおじいちゃんで、祖父の住んでいた九段の議員宿舎やパレ*1の事務所、あるいは那須の自宅にいくと、お中元、お歳暮などノシが貼られた紙箱が山のように積んであって、なんでも好きなもの持ってけ、とデパ地下で売ってるような高級お菓子をもらって喜んでいた。お菓子も嬉しかったが、もうあと10年か15年生きてくれれば、政治姿勢・思想や行動を直接みれたのにな、思うと惜しい。

 そんな祖父の政治姿勢の一端を知ったのは27歳の時、伯父の渡辺喜美さん(祖父の後を継いで衆議院議員を務めていた)の秘書になってからだ。秘書として地元や東京の古くからの支援者とお会いすると「お前のじいちゃんはな~~ 」といろいろな思い出話をしてくれた。よく聞く話は、どこそこの公園を作った、あの道路を作ったという話で、インフラや箱の整備は目に見える形として後世まで残るので、政治家にとってはやりがいのある仕事だろうなとつくづく思った。

 そうした支援者が語る話で、たまに出るのが「まごころ」の話で、祖父は「政治はまごころだ」とよく言っていたという。ある時、まごころとはどういうことなんでしょうね、と古老に聞きかえすと「そりゃな、孫を思う心で政治をやる、だから、まごころだ。ワハハ」と冗談(?)ではぐらかされた。

 後から考えると、孫を思う気持ちがすなわちまごころである、というのは、自分のためでなく相手の幸せを考えて、また、今のことより将来のことを考えて政治をしろとも取れて、なかなか深い。祖父の周りにいた方は会話能力が高く、こうした当意即妙の冗談がとてもうまい。「孫を思うこころがまごころ」とはもしかすると本当に祖父の言葉だったのかもしれないが。

「勇気とまごころをもって真実を語る」とはなにを指すのか

 さて、石破総理の所信表明演説でも披露された「勇気とまごころをもって真実を語る」という祖父の言葉を、以前、石破さんが言っているのを私が初めて聞いた時、とても衝撃を受けた。というのも、地元の方から「まごころ」の話は聞いていたが、もう一方の「勇気」の部分は知らず、頭の中でバチンとつながるものがあったからだ。つまり渡辺美智雄は、支援者や国民に対してはまごころをもって接し、同僚の政治家たちにはまごころだけではなく、勇気を持つこと(時には身を切るような政策を行わねばならないと)、真実を語ることを求めたのだ。祖父ミッチーの政治信条は、まごころだけでなく、勇気を加えて初めて完全体になるのだと知った。

 石破総理のいう「勇気をもって真実を語る」は、この国の未来のことを指している。例えば、これから医療費を圧縮しなければならないし、防衛力強化も行わなければならない。さまざまな政治課題の対応でお金が必要になるが、その時、これまで予算がついていた別の予算を圧縮(歳出削減)をするのか、または増税をするのか、そうした政治家にとって、国民にとって痛みを伴うことも、この国の未来のために議論して前に進めなければならないという強い意思表示だ。

 この議論はずっと棚上げにしてきた。これまで、歳出を増やしても、その財源を国債で賄い、その国債を日銀に買い取らせ、未来に負担を先送りし続けてきた。これは景気対策でここぞというときに集中してやるのはいい。だけど、本来、歳出を増やすなら税収を増やさなければならないし、税負担を減らしたいなら、歳出を見直さなければならない。これは間違ったことだろうか?

 石破総理の言う「勇気とまごころをもって真実を語る」にはこうした思いが込められている。増税や、歳出見直しを言い出すのは政治家にとって勇気のいることだ。だけどこの国の未来に必要な事であればやらなければならない。

 私は、この先の未来に責任を持っている若手議員のひとりととして、その思いに賛同し、応援をしていく。

*1:パレロワイヤル永田町