渡辺みちたか(自民党・新宿区議会議員)official blog

新宿のミッチー。新宿区議会議員(自民党)。1985年12月生まれ。「渡辺ミッチー」こと渡辺美智雄・元副総理の孫。慶応義塾高等学校・慶応義塾大学・同大学院卒業。中小企業勤務、国会議員秘書を経て新宿区議会議員(2期)。会派は自民党区議団。

安倍晋三元総理の国葬雑感

 昨日9月27日、安倍元総理の国葬が行われた。中継をご覧になったという方から、「以前、二階元幹事長が国葬が反対の人でも国葬をやれば、あー、やってよかったなって思うものなんだといってたのを、なんて失礼なと思っていたが、実際に国葬を中継で見て、あぁ、やって良かったなと思って二階元幹事長のまさに思い通りになってしまった」と話を聞いた。

 かくいう私も国葬でよかったなと思った。国葬をみて、改めて安倍元総理の功績や、選挙のさなかに凶弾に倒れたことを思い出し、黙とうをささげた。安倍元総理は歴代最長の政権を担ったが、本当にやりたかったこと、つまり憲法改正北方領土返還、北朝鮮拉致問題解決などを考えると志半ばだったろうなとも思った。

 しかし、この間、国葬を巡って、あまりに党派的な対立、それも行き過ぎた対立なのではないかと感じる部分が多々あった。多くの人にとっては、国葬でも国葬じゃなくてもどっちでもいいけど、反対が強い中で無理してやるのはどうなの、みたいな意見だったのだと思う。そこまで揉める話じゃなくない?的な。

 近年これまでも党派性の対立というのはあった。秘密保護法や平和安全法制、憲法改正などだ。だけどそうした政策論争と、安倍元総理の国葬の是非という党派性のみをもった対立はまったく別物だ。最近ではモリカケ桜を見る会なんかもあったけど、これは疑惑に対しての対応でまだ言い分はあった。が、今回の国葬は、単純に反対の根底は「アベが許せない」からであって、「国会の議論を経てない」、「国葬の根拠法があいまい」、「税金の無駄遣い」というタテマエをいくら並べても、本心は「アベが嫌いだからやるな」だったように思う。

 世界的にもこうした党派制のあるテーマをマスメディアが煽るように報道し、SNSを中心に議論になり、分断を起こしている。先行地域であるアメリカではトランプへの批判(議事堂乱入事件)、人工中絶、銃規制の話が中間選挙の大きなテーマになっている。今回の党派性をもった国葬の是非の議論で、日本もいよいよこの段階にきたかと思った。本来いまの時期に議論すべきは、エネルギーをはじめとする物価高への対応や、ウクライナ侵攻を受けて明日は我が身の防衛・安全保障であろう。もしかしたら野党サイドはこうした分野で強い意見を言えないから国葬ネタで攻めていたのかもしれない。

 さて、分断の時代では、極端な意見が評価される。穏健で、優等生的な意見は、派手で極端な意見に埋もれてしまい、SNS映えしない。SNSで盛り上がるのは、強い支持や強い批判をされるくらいの意見だ。今後はサイレントマジョリティーを代弁する穏健な意見を持つ政治家は冬の時代になる。

 もし、私が極端な右(左)寄りの意見になったら、ああ生き残るためにそういう方向に舵をきったんだなと思ってほしい。