渡辺みちたか(自民党・新宿区議会議員)official blog

新宿のミッチー。新宿区議会議員(自民党)。1985年12月生まれ。「渡辺ミッチー」こと渡辺美智雄・元副総理の孫。慶応義塾高等学校・慶応義塾大学・同大学院卒業。中小企業勤務、国会議員秘書を経て新宿区議会議員(2期)。会派は自民党区議団。

国民健康保険料の議論と行政のDX化による医療費の適正化

国保料の増は続く

 新宿区国民健康保険審議会が開催された。今日は来年度の国民健康保険の保険料などについて、区の案を審議して結論をだす重要な回だった。区はこの会の結論を踏まえて案を確定し、議会に諮る。
 国保料は年々増加傾向で、今年度も前年比3.3%増、来年度は6.3%増となる。2年で1割の負担増になった。その背景には高齢化・医療技術の高度化による医療費の伸びがあり、高齢化のピークは2040年といわれており、今後まだまだ伸びる余地がある。さらに言えば、今回6.3%増は区が保険料の増加を抑えるべく24億円*1の財政支援をした上の数字だ。現在のプランでは、あと数年で財政支援(法定外繰入)をゼロにする方針で、この分は保険料を上乗せして賄うことになる。
 国保の話は、いい方向に行きそうなニュースがなく今後も厳しい状態が続く。今日の審議会では、学識経験者の委員から発「経済学上、国民皆保険は効率的で絶対に必要」とした上で「社会保障ではよく北欧諸国の例が挙げられるが、北欧では医療サービス提供の打ち切りがある、例えば一定の年齢に達すると人工透析が受けられなくなる。こうした制度の設計に国民のコンセンサスがある」、「日本のように同じ医療サービスを受けるのに、保険料の差が開きすぎると(所得に応じてゼロから年間104万円)、異論がおこる可能性がある、制度の意義などを窓口などで是非説明してほしい」など、示唆に富んだ発言があった。

行政のDX化で医療費の適正化を推進

 となると、医療費の削減するしか方法がないわけだが、医療費の削減は実際はできない。これは国民感情として「高齢者は医療を受けずに死ねという事か!」と受け取られてしまうし、医療業界からの反発もあるので与野党問わず踏み込めない。とはいえ、医療費の適正化は必要で、現に薬局に行けばまずジェネリックを勧められるし、クリニックでも少し多めに薬を出してくださいといってもなかなか処方してくれず、取組が進んでいる。区でもレセプトデータを活用した生活習慣病の重症化予防事業をはじめ健康寿命の延伸政策に取り組んでいる。この予防については区にレセプトデータや健康診査のデータが膨大に入ってくるので、DX化と相性がいい分野だ。

 つまりレセプトデータをデータベース化して、統計データで学習させたAIを使うと、「こういう診断が続くととこういう危険がある」といちAIが早く察知して、行政やかかりつけ医から注意喚起をする、といった具合だ。重症化することで医療費が重くなるのであれば、予防をしていく考えだ。こうした取組を後押ししていく。

*1:今年度は14.5億円の法定外繰り上げが計上されている。