渡辺みちたか(自民党・新宿区議会議員)official blog

新宿のミッチー。新宿区議会議員(自民党)。1985年12月生まれ。「渡辺ミッチー」こと渡辺美智雄・元副総理の孫。慶応義塾高等学校・慶応義塾大学・同大学院卒業。中小企業勤務、国会議員秘書を経て新宿区議会議員(2期)。会派は自民党区議団。

2023新宿区議選の結果分析(さわりだけ)

 今となっては恥ずかしい話だが、選挙の告示の前日である4月15日の日記(リアル日記なので公開はしていない)に「今回、自民党現職は全員当選できるだろう」と記していた。もちろん希望も込められていたのだが、根拠としては、自民党の公認候補を前回比1人減らして11人にしたこと、公明、立憲も同じく公認候補を1人ずつ減らしたこと、総勢60人以上が立候補するだろうと言われ、候補者が多くなればそれだけ票が分散され、当落のボーダーラインが下がるだろう(固定票をもつ現職が有利)と思っていた。ところが、フタを開けてみれば自民党は現職が3人落選し、前回比-3議席の8議席という結果になった。甘すぎる認識だった。

 当落のボーダーラインは下がるどころか、4年前の1472票から1569票へ100票近く上がった*1。れいわ、都ファ、国民民主、参政党といったミニ政党の候補者が1600票以上の支持を得て議席を獲得したことで、4つの議席を埋め、ボーダーラインを押し上げた。維新はかねてより候補者2人とも当選で2議席とれるだろうと思われていたので驚きはないが、こうした新しい勢力たちが既存政党にうんざりしている有権者の受け皿になった。現に既存政党の候補者の得票総数は以下の通り軒並み票を減らしている。

自民党 23,007票(前回比▲3833票)
公明党 15,956票(前回比▲2012票)
立憲民主党 8,194票(前回比▲835票)
共産党 16,247票(前回比▲1506票)

 ちなみに投票率は前回に比べて0.86%増え、投票した人は3051人増えた。それにもかかわらず、これだけ得票を減らしているのだ。既存政党へうんざり感が高まっているのがわかる。

 考察すべき点は、今回新勢力に投票した人が、どの程度その新勢力に期待しているか、という点だ。例えば今回維新に投票した人が、維新が好きで、維新を応援したいから投票したのか、それとも自民党の最近の姿勢が応援できないから、お灸をすえる意味で維新に投票したのかで質は大きく異なる。前者であれば維新の脅威はそこまで迫っているし、後者であれば自民党の政策や信頼回復を行うことで票が戻ってくるかもしれない。今後の戦略としては、こうした票を取り返しに行くのか、それとも新たな票の発掘をするのか、どちらに重点をおいていくのかということだ。都心部では国政選挙には投票に行くが、地方選挙にはいかないという人も多く*2、国政選挙で自民党に投じている人を地方選挙の支援者にしていくというのも取りうる作戦の一つだと思う。コロナが落ち着いてきたので、街頭活動や集まりを開いてもいいと思う。重要なのは有権者との接点を増やすことで、接点がなければ、我々の考えも活動も知られず、ただマスメディアやネット情報をもとに評価を下されてしまう。接点を作り、活動や情報を伝え、コミュニケーションをとれる人を増やしていかねばならない。いずれにせよ、何もしなければ何も変わらないので、具体的な活動を提案して行っていきたい。

 近く、党新宿総支部での会合があるので発言もしたい。党の中でそういう発言をすると、すぐ党内政局になり、責任論になってしまうのだが、そんな話をしたいのではなくて、党勢拡大のための一手をどう打っていくかを決めたいのだ。そのためにある程度の具体案も持っていくし、事前に根回しもしていきたい。

*1:この1472票から1569票の間に自民候補は2人おり、前回並みのラインであれば当選していたことになる

*2:今回の区議選は投票率38%で、直近の参院選56.0%、衆議院56.0%、都議選41.8%