衆議院の新しい選挙区割りの案が決まった。新宿区はいままで1区と、落合地域の西側が10区に分割されていたが、すべて1区になった。落合が10区に編入されたのは2017年の選挙からだから、5年ぶりに1区に復帰することになる。この新しい区割りは、手続き的には国会で決議する必要がある。が、国会で内容を変更するのは無理だろうから今回の案で決まりだ。
新しい区割りの特徴は、批判の多かった行政区内での選挙区の分割を極力やめている。たとえば東京1区はこれまで新宿区の一部、港区の一部、千代田区全域の3区で構成されていたが、新1区は新宿区全域、千代田区全域になった。人口の多い世田谷、太田、杉並、練馬などは区内で選挙区が分割されているが、これはやむを得ない。なお、新1区から外れた港区は渋谷区とくっついて7区になる。
衆議院の総選挙はわれわれ地方議員にとっても超大きなイベントで、選挙前と選挙期間は連日、党勢拡大・集票活動に駆り出される。同じ選挙区の他区の議員とも顔を合わせることも多く、横のつながりが強くなる機会にもなっている。私は落合を中心に活動していて、下落合と中落合2丁目が衆議院1区で、他の中落合と上落合、中井が10区でちょうど割合は50%・50%だった。それゆえ、総選挙になると、1区の山田みきさんと10区の鈴木隼人さん両方を応援する必要があった。これはどちらかを手を抜くと、どちらからも「どうせミチタカさんは1区(10区)の人だから……」と軽視されることになるので、手を抜くことはできない。それに選挙を頑張ることは、政治家に恩を売る最大のカードになるのだ。そんなわけで連日1区では山田みき、10区では鈴木隼人を売り込んでいた。選挙期間中はどちらの陣営も会議を(マイクの音出しが終わる)20時以降に行うので毎日のように会議のハシゴをしていた。
とまあ、大変は大変なのだけど、その分、2人の代議士に親身にお付き合いいただき、また他区の議員とのつながりも2人分できるのは本当に私にとっての財産だった。今回、10区から分離することで、10区の仲間である、鈴木隼人さん、事務所スタッフ、豊島、練馬、中野のメンバーと選挙を共に戦うことがなくなると思うと少し寂しい。
さて個人的な話は置いておき、制度の話に戻る。日本の選挙制度は小選挙区を主とする政治家の「個人名」を書く選挙なので、区割りの変更を頻繁に行うこと(=投票先の政治家がコロコロかわること)は有権者にとってもよろしくない。また、こうした事が続くと、有権者は政治家が遠い存在になって、政治家ではなく政党で投票することになり、政治家も地域で運動するインセンティブが減ってくる。そうすると政治家が地域での声をきくことも減り、悪循環になってしまう。今回の選挙区割りは大幅な変更だったので、当面この選挙区でいけると思うがぜひそうしてほしい。落合の人からすれば、2012年に与謝野さんから山田みきさんに代わって、2017年に鈴木隼人さんに代わって、次はまた山田みきさんと、名前を憶えてもすぐ変わってしまっているのだ。
さて、新1区は港区が離れた分、当落について新宿区の比重が格段に高くなった。首都東京の「華の1区」、自分の応援する候補を当選させるべくしっかり頑張りたい。