渡辺みちたか(自民党・新宿区議会議員)official blog

新宿のミッチー。新宿区議会議員(自民党)。1985年12月生まれ。「渡辺ミッチー」こと渡辺美智雄・元副総理の孫。慶応義塾高等学校・慶応義塾大学・同大学院卒業。中小企業勤務、国会議員秘書を経て新宿区議会議員(2期)。会派は自民党区議団。

一人会派ははたして会派なのか

 東村山市議会で4月から一人会派が認められなくなるらしい。

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 議会は基本的に会派というまとまりで行動する。民主主義は「多数の支配」と定義づけされるとおり、議会でも会派の人数で議会のポスト(議長、委員長など)、質問時間などが決まる。

 選挙で無所属の候補者が当選したとき、議会内でほかの誰とも会派を組まずひとりぼっちになることがあり、その議員の扱いは議会によって違い、一人を会派(一人会派)として認めるケースと、ひとりは会派ではなく一議員として考えるケースがある。これは議会が会派というまとまりで運営されて、まとまりの構成員が一人だった場合の統一ルールがないということだ。新宿区議会では一人会派の制度があるが、私は一人会派という言葉や制度に疑問を持っている。一人会派は会派(グループ)ではなく、いち議員(個人)でしょうと。

 国会では衆、参ともに一人会派は認めておらず、議員が誰とも会派を組まない場合「会派に属しない議員」になる。会派に属しない議員は、会派間で配分の終わったあまっている委員会に所属し、質問時間も会派の人数で割って配分されるので短く、議会活動は会派に所属する議員よりかなり制限されている。(しかし、会派に支払われる立法事務費(所属議員1人につき1月65万円)は会派に属していない議員にも支払われ、この辺の考え方はよくわからない。)

 新宿区議会では一人でも会派として認められ、議会活動が可能だ。会派として認められているので、本会議でも会派として区長に質問ができ(通常、一般の議員として質問する場合は部長級が答弁する)、かつ質問時間も優遇措置がある。例えば、予算委員会の総括質疑の配分は自民党(11人)が196分で、一人会派は54分だ。人数で11倍の自民党が、質問時間では1人会派の3倍弱とかなり割を食っている。これは民意を反映しているといえるのだろうか。また、会派ごとに控室が配分されるので一人会派の場合は区役所内に個室が与えられている。一人会派の議員がひとりで黙々と控室で勉強するより、会派に属しない議員として控室が一緒になった方が会話が生まれ、そこからコラボレーションができたら区民のためにいいのではと思う。

 一人会派の議員の多くは政党の支援なく、または小さな政党の看板で選挙を勝ち上がってきた猛者たちで、人間的にも尊敬できる方ばかりだ。しかし民主主義のもと、民意の反映を実現すべき議会においては議席は平等に扱うのが道理で、議員ひとりになると突然優遇される現在の一人会派の制度には疑問を持っている。