渡辺みちたか(自民党・新宿区議会議員)official blog

新宿のミッチー。新宿区議会議員(自民党)。1985年12月生まれ。「渡辺ミッチー」こと渡辺美智雄・元副総理の孫。慶応義塾高等学校・慶応義塾大学・同大学院卒業。中小企業勤務、国会議員秘書を経て新宿区議会議員(2期)。会派は自民党区議団。

トー横キッズとトランプ路線

 歌舞伎町のトー横で20人の未成年が一斉補導された。

 私は歌舞伎町に集まる未成年者の問題についてはトランプ路線である。警察にバンバン補導してもらって、地元や家庭に返す、または施設につなぐ*1、とにかく新宿区の繁華街に居つかせないのが基礎自治体のとるべき方向性だと思っている。極端な話、新宿ではなければ池袋でも渋谷でも行ってくれたっていいと思う。同様に池袋や渋谷でも出ていけ、という対応をすればいい。そうすれば都や国など広域行政が本来解決すべき「居場所のない子ども達が抱える孤独感」を真剣に考えるのだと思う。この話は、現時点では「新宿の地域固有の話でしょ?」みたいな感覚で、国も都もやる気がない(特に国)。以下書くように、この話は基礎自治体ではまったく解決しえない問題なのだ。

 実際のところ新宿区では、私の考えよりも丁寧に対応していて、NPOを活用して支援する事業を始めている。ただ、子どもに寄り添い、根本解決を目指すのであれば子ども家庭部や、福祉部が所管すべき事業だが、現状は危機管理部が所管している。つまり、区でもこのトー横界隈の扱いは、居場所のない「子どもたちの福祉の問題」ではなく、あくまで「繁華街の治安問題」なのだ。たしかに、たとえ子ども家庭部や福祉部が所管しても、「じつは住所は〇〇区で……」となった時点で、住所地の自治体に情報共有と対応依頼をすることしかできない。

 そもそも「家庭に居場所がない」のであれば、行政なり施設の支援を受ければいい。「だけど、施設は規則が厳しくてイヤだ」という未成年者を、本人の意思のままにフラフラと自由に生活をさせること(しかも税金で)は全く賛同できない。また歌舞伎町に集まってくる家出人の未成年者は新宿区外の人たちが大多数なので、区外の住民のケアに新宿区民の税金を投入すべきではない。だから基礎自治体でできることは、区内の繁華街に居つかないようにすることだけだ*2

 一方で、どこにも居場所がなく、孤独感を抱えた子どもが存在することも事実だ。学校にも、家庭にも居場所がない。例えば、親からDVを受けている、朝から晩まで親が男を狭い家に連れ込んでいて、その男との折り合いが極めて悪い、のような本人(しかも未成年)では解決できない問題を抱えている人がいる。そうした孤独感を持つ子どもが、繁華街にでて仲間を作る、ところまではいい。が、その先はなかなかイバラの道で、繁華街では酒や薬物の誘惑があり、若い体に商品価値をみいだす悪い大人たちがおり、なかなかハッピーエンドに行きつけない。行政がサポートしようにも、既に何度も補導されていて、何度も家庭に返されて、行政に信頼関係が全くない子どもたちだ。家庭もダメ、行政もダメ、さぁどうしたらいいんだろうか。

 そういう意味で企業でも、行政でもないNPOが本領発揮できる分野だと思う。NPOが賛同者から寄付を募って「家庭も嫌だけど、施設(行政)も嫌」という人を助ければいい。「居場所のない子どもの孤独感」は広域的な行政課題でもあるから国や都が予算をつけてNPOを支援するのもいい。そう、だから都はまともなNPOを見つけて、しっかり応援してください。

↓2023年開業の歌舞伎町の東急タワー。その目の前にトー横(広場のほう)がある。


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*1:施設につなぎとめるという意味ではなく、連携するという意味ね

*2:しかも、追い払うことすら警察しかできないので、実際に区の権限でできるのは未成年者に「犯罪に巻き込まれないで注意してね」と注意喚起することくらい。