渡辺みちたか(自民党・新宿区議会議員)official blog

新宿のミッチー。新宿区議会議員(自民党)。1985年12月生まれ。「渡辺ミッチー」こと渡辺美智雄・元副総理の孫。慶応義塾高等学校・慶応義塾大学・同大学院卒業。中小企業勤務、国会議員秘書を経て新宿区議会議員(2期)。会派は自民党区議団。

ワクチン接種予約の課題【新宿区】

 新宿区では5月6日から75歳以上のワクチン接種予約が始まった。対象者は3万5千人で、初回の予約枠は約8000。この枠をウェブと電話で予約を受け付け、ウェブは3時間弱で予約終了し、電話では3日間受付は続いたが、多くの方から予約電話が繋がらないとお声を頂戴した。
 一方で、予約開始に向けて、政府や都からワクチン供給の情報が十分得られない中で、区も懸命に準備してきたこともよく知っている。今回の区民のお声を、区が次につなげられるよう、以下にまとめた。週明けに区にも伝える。

◆全体像を示すことで安心感を

 多くの方とお話して思ったのは、区民の方に接種の全体像が伝わっておらず、「予約できるときにしておかないとダメだ」という心理にさせているということだ。
 今回の予約でいえば、接種対象者は75歳以上の3万5000人いて、「今回の予約枠は8000、来週の予約枠が1万数千、再来週の枠が1万数千で、希望者全員分の予約受付が今月中にできる見込み」という全体像を十分伝えていれば、中には安心して「じゃあ少し待つか」という方もいたと思う。
 予約をとれるようにするという意味では、電話回線やウェブの処理能力を増強するのが一番単純で直接的な解決方法だが、こうした情報提供で負荷分散をするのも解決方法の一つだ。また全体像の情報は区報や接種券同封の資料だけでなく、予約受付電話の自動アナウンスや、ウェブ予約での「アクセス集中しています」画面でも表示でき、すぐに対応できるのではないだろうか。(吉住健一区長は途中からこうした情報をツイートしていた)

◆ウェブ予約枠と電話予約枠

 ウェブが2時間で受付終了して、電話は3日間受け付けていたのは謎な対応だ。ウェブと電話で予約枠を分ける話は全く聞いていなかったので、なんで分けているのかも不明だし、ウェブ枠がいくつで、電話枠がいくつなのかもわからない。想像するに「インターネットが使えない人もいるから」と予約開始直前になって決めたのだと思うが、その優遇措置を手厚くした結果、ウェブが使える人に不利益を与えたように思う。一体はたしてどれくらいの人が、電話だけでトライしたのか、そして電話枠とウェブ枠の割合はそれに見合っていたのか。
 また、ウェブがわずか2時間で受付終了した結果、ウェブ予約勢が電話予約に流れ込み、電話予約がますます取りづらくなった。これは電話予約勢もウェブ予約勢も、受付サイドもみんな不幸な状態だ。こうした状況を回避しつつ、ウェブと電話で枠を分けるのであれば、ウェブは1日〇件など、予約を何日かに分けてもいいのではないだろうか。

 電話でしか予約枠が残っていないから電話予約に移行するのであって、翌日もウェブで受け付けるのであれば、また明日ウェブでやってみるか、となるかと思う。ウェブでも予約できる人はウェブで、電話でしか予約できない人は電話で予約を取ってもらうのが一番いい状況だ。

◆ご意見(認知症の同居者)

 区民の方から「高齢者の家族がいて、老人施設に入ってはいないが、認知症訪問介護を受けている。いつのまにか靴も履かずに家を出て行ってしてしまうこともある。こうした家族を集団接種会場につれていくのはしんどいので、訪問してワクチンを打ってくれるような仕組みも考えてもらえないか」というご意見を頂戴した。
⇒このご意見は、ごもっともで切実だと思う。区にご意見を伝えた結果、そうできるよう検討している最中と前向きな答えをもらった。5月15日の区報で第一報がでるかもしれない。

◆ご意見(二回目の予約の不安)

 多くの方から「二回目の接種予約が、今回の予約と同じような状態だったらとてもできない」と意見を頂戴した。
⇒「200回かけた」、「400回かけた」と予約が取れた方も、取れなかった方も、それぞれで大変なご苦労を多数お聞きした。2回目接種の予約のタイミングは、次の時期の予約開始や、新しい年齢層の予約も始まる。同じ回線・同じ予約サイトでは状況は1回目とあまり変わらないのではないかと思うのは当然だ。
 新宿区では1回目接種時には2回目のワクチンは確保している運用なので、「ワクチンは確保できているのに、予約がボトルネックになって接種がすすまない」とならないよう区に要望していく。

◆20万人の予約が待ち構えている

 今回、75歳以上の接種対象者が3万5千人の予約が始まり、いろいろなことが分かった。来月からは65-75歳の3万2000人、その次は64歳以下20万人の予約が待ち受けている。予約を1回目と2回目の接種で分けているから、予約回数はその2倍だ。今回3万5千の対象者で色々な課題が明らかになったが、20万人は今回の5,7倍の規模だ。今後、希望者がスムーズにワクチン接種ができるよう区に提言をしていく。

◆最後に明るい話・行政のDX化

 多くの方に予約に労力をかけていただき、結果、予約が取れなかった方もいるので書こうか迷ったが、今後につながることなので書くことにする。
 今回8000の予約枠を電話枠、ウェブ枠と分けた。この予約枠のそれぞれの割り当ては不明だが、ウェブは3時間弱で予約終了し、電話は予約満席まで3日間かかった。仮にそれぞれ4000枠だとすると、処理時間に10倍以上の差がでたことになる。また電話回線は朝日新聞によれば40人・40回線での対応で、こちらの方が人数もコストもかかっているだろう。

 行政のDX化が菅政権のもとで推進されるが、スマホの普及が進んだ今、この一例でもDX化は行政がより便利に、より効率的にできることがわかる。今回、予約にご不便をかけているが今後に大きな可能性を感じており、それを実現できるよう後押ししていく。