渡辺みちたか(自民党・新宿区議会議員)official blog

新宿のミッチー。新宿区議会議員(自民党)。1985年12月生まれ。「渡辺ミッチー」こと渡辺美智雄・元副総理の孫。慶応義塾高等学校・慶応義塾大学・同大学院卒業。中小企業勤務、国会議員秘書を経て新宿区議会議員(2期)。会派は自民党区議団。

全員協議会のナゾ

 来週から始まる定例会に際して全員協議会が開かれる。
 この会は新宿区議会では古くから行われている。議長の呼びかけで全区議会議員と区役所の課長級以上の全職員(100人くらい)が招集され、区長の挨拶に始まり、総合政策部長より予算の説明、総務部長から議案の説明ののち、議員との質疑応答の時間が設けられる。全区議、全幹部職員が集まる権威のある会だ。

 ところがこの全員協議会、根拠となる条例や規則上の位置付けがない。
 正しくは、根拠となる法律*1はあるのだけど、その法律を根拠にした全員協議会を設置する条例・議会規則が区(区議会)にないのだ。だから条例や議会規則をいくら読んでも「全員協議会」という文字は存在しない*2。現在議会が開かれるたびに全員協議会で区議と職員が招集され、幹部職員は説明をしているが、法令的にいえば、議会にそんな権限はないし、役所も根拠のないものに(人的)コストをかけて対応していることになる。

 福沢諭吉先生の『文明論之概略』に「古習の惑溺(こしゅうのわくでき)」という言葉がある。意味は文字のまま。古い習慣にまどわされておぼれる。伝統や習慣というのはもちろん大切だが、何も考えずに続けるのはよくない。議会の中にいると、長年やってきたから、という理由でやっているものが結構ある。極端な例だが、先日豊島区で、区議が政治資金パーティー券を区役所幹部職員に購入してもらい、公選法違反になる事件があった。何年も前からやっていたらしい。昔はなんとなく許されていたことが、今は許されないこともある。

 全員協議会が古習の惑溺だとは思わない。だけど、根拠がないゆえに、何を目的とした会であるか誰もわからないし、会議の中身も決められてないから、「~~をしよう」という提案もできない。ただ単に、昔からやっているから、昔の通りやっているだけの会になっていないだろうか。全員協議会が今後も継続して行っていくためには、進化していかなければならないし、その前段階として位置づけをはっきりしなければならない。

*1:地方自治法100条12項。2008年に改正されてできた

*2:議員報酬条例に「全員協議会」は存在するが、いま現在新宿区議会が行っている全員協議会を指すものではない。