年が明けた。昨年2023年は自民党にとって逆風の年だった。年末はテレビをつければ(スマホをみれば)派閥のパーティー券の話がえんえんと報道されていた。夜警や忘年会では「大変だねえ」とか「お前もキックバックもらってるのか!?」とご心配や、イジり、ご批判、毒はきなど、さまざまいただいた。すべて真摯に受け止めたい。
いろいろなご意見をいただいて、思い出していたのはちょうど10年前、2014年2月に私の伯父の渡辺喜美 衆議院議員・みんなの党代表が化粧品会社の会長から8億円のカネを借りて、それを政治資金収支報告書に記載していなかったというスキャンダル報道のときの事だ。当時私は喜美さんの秘書、というかカバン持ちをしていて、朝から晩までほぼすべての行動を共にしていた。その時の世間のバッシングっぷりはこんなもんではなく、国民の9割が納得していない状況だった。兄と義姉が議員として地元(栃木県)を守っていたが「渡辺という名前がつくだけで犯罪者扱いだった」と後に聞いた。本当にそうだっただろう。
問題発覚からいくらか経つと、喜美さんも報道とその対応に疲れ果ててしまってグッタリしていた。
そんななか、ある日、喜美さんが事務所に大きな色紙を持ってきた。批判報道が続いて気落ちしているだろう喜美さんを励ますために、ある支援者が揮毫した色紙だった。その色紙には「嵐の中でも時は過ぎゆく」と書いてあった。シェイクスピアの『マクベス』の一文だ。
喜美さんは事務所の自分の部屋の一番みえるところにこの色紙を飾った。そして「見てくれる人はいる。だから、できる仕事に励もう」といった。
10年たってこの頃のことを思い出す。私は地域から選出されている地方議員になった。どんな嵐が吹いたとしても、自分の本業をしっかりやろう。皆さんの声を聞き、それを区政に届けていきたい。
本年もどうぞよろしくお願いします。